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デジタルプレゼン ワンポイントレッスン

基本編


プレゼンって何だろう
プレゼンテーションという言葉の本来の意味は「提示、紹介、表現」などです。 今ではすっかり日本のビジネス用語になり、本来の意味とは少しニュアンスがかわっています。 どちらかというと発表とか商談説明という感じでしょうか。 このワンポイントの中で、対象にするプレゼンテーションは「聞き手を話し手の意図した方向に態度変容させるために話し手が行うイベント」ということにしたいと思います。 相手が大勢であっても、一人であっても構わないのがプレゼンテーションの定義です。 しかし、知っておくと便利なプレゼン技法の多くは、大人数を前にした時に真価を発揮するものです。
そこで、前提は人数に関係なくというものの、想定は大人数を前にということで以下ご覧いただきたいと思います。



良い姿勢はプレゼン体操で作る
プレゼンター(プレゼンを実施する人。プレゼンテーターとも言う)の姿勢が悪いと、のっけから聴衆の期待度は下がります。 姿勢が悪いと見かけが悪くなるだけでなく、声も出にくくなります。
しかし、姿勢は長年にわたり私達にしみついたもので、簡単には直りません。 そこで、お薦めは自分のできるベストの姿勢でスタート1分だけは乗り切るということです。 簡単です。自分のプレゼンがはじまる前に体操をします。 どんな体操かというと、大あくびです。よく、太陽に向かって大きく手を広げてあくびをしますね。 あのポーズをして実際にあくびをします。やりにくい場所だったら、手を後ろに組んで胸を反らせても構いません。
数回繰り返しスッと力を抜きます。そうすると、アラ不思議、自然と胸をはった自信ありげな姿勢になります。 同時に、喉が開いて声が出やすくなります。 この姿勢でスタートの1分を乗り切ります。 第一印象をその状態でいけばよいのです。 しばらくすると、いつもの自分の姿勢になってしまいますが、それまでに聴衆と自分を「出来上がり」の状況にしてしまえばよいということです。


聞き取りやすい声で話すには
プレゼン体操で、声が出やすくなったら次は発声です。声の大きさは短期間には変わりません。 私も地声の大きい人は羨ましいです。 半年から1年かけて専門家についてボイストレーニングをすれば、改善しますがそこまではという方も多いでしょう。 そこで、声の大きさは置いておいて、明瞭に話すことに注力します。
明瞭に話すには母音「あいうえお」をはっきりとすれば良いのです。日本語は必ず母音で終わります。 ローマ字ではどの文字も(A・I・U・E・O)がつきますよね。ということは、たった5文字の発音に気をつければ、50音すべてが良くなるということです。 これは即効性があります。具体的には口を大きく動かすことです。はじまる直前に、「あいうえお」を最大にオーバーにやるのです。 本当は発声した方がよいのですが、いつもできるとは限りません。発声しなくてもよいです。 例えば「あ」は、アゴがはずれない程度のMAXの大きさに口を開きます。そうして事前に開いておくと、本番ではその影響でいつもより、大きく口が開けられます。
スタートで「わたくしは」という言葉を発声するならば、3回「あ」の口をしますよね。
「あ」を大きく開くだけで、この5文字のうち3文字はいつもよりはっきりしてきます。 大きく開けようとすると、自然と時間がかかり、いつもよりゆっくり話すことになります。 そうなると、落ち着いているように見えます。内心はアガっていても関係ありません。そう見えなければプレゼンへの影響はゼロです。


堂々として見える動作について
自信なさそうなプレゼンターを見ていると聴衆は内心「大丈夫かなこの人」「あー今日はハズレだな」と思ってしまいます。 堂々とスタートするのは大切なことです。プレゼン体操で姿勢を良くし、発声練習で明瞭に話す準備ができたらあとは堂々と見せる動作がポイントです。
簡単です。ゆっくりスタートすればよいのです。セカセカした動作は自信のなさと、準備不足を連想させます。まずは、ゆっくりスタートです。 そのためには、出てくる前からゆっくり動作をすることです。
走ってきて、前に立ったら急にゆっくりできる人は少ないでしょう。出てくる前からスローモーションで動きます。
もう一つは儀式を作ることです。聴衆の前に出てもすぐに話し始めずに資料を整えるフリをしたり儀式をやって、挨拶をしてスタートをします。
その間が、聴衆にスタートのための準備を促し、自分のペースを生み出します。 せいぜい3〜5秒のことです。イチローも、いつもやっている動作を一切禁じられたら果たして打てるかどうかわかりません。 会場を自分の空間にするために、儀式を作ることをお薦めします。


アガリについて
長年の研究の結果アガらない方法を発見しました、と言いたいところですが、残念ながらそれは無理という結論になりそうです。 私は実はアガリ症です。アガってしまう方の気持ちがよくわかります。 色々な方法を試しました。しかし、どれも劇的な効果はありません。 そして、たどり着いた結論は「アガっているように見せないこと」と「早くアガリ状態から抜けること」の2点を考えた方が良い結果になるということです。
アガっているように見せない方法は、前述しましたここではアガリ状態から早く抜ける方法をご案内します。
まず一つは動くことです。運動生理学では体を動かすことがリラックスにつながるとされています。 心と体は連動しますが、先に心がほぐれることは少ないようです。体をほぐして、つられて心がほぐれるようにする方が確率は高いようです。 何でも良いのです。資料確認から入るなら、資料を持ち上げて示しても構いません是非やってみてください。 もう一つは、内容に入る前に、聴衆に簡単な質問をしてみることです。
例えば「今日のテーマは**ですが、以前に同様の説明を聞いたことがある方、手を上げていただけますか」というように。 この瞬間、プレゼンターは聴衆の圧力から解放されます。 聴衆は「手を上げると指されるのではないか」などと自分に向かって考えるためです。 「一方的なプレゼンだった」という批判を抑制するという副次効果もあります。アガリ状態から抜ける方法として、是非やってみてください。


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